高密度な服地と調和的な審美性、動的な機能を盛り込んだ裁断・縫製は、より高次な耐久性を実現します。単なる対磨耗・対変形性能といった物性面での耐久性はもちろんのこと、着用していただく方の満足感が長期間保たれるということが重要です。別の表現をすれば、飽きがこないということです。
よい服は新旧にかかわらず自信と安心を与えつづけ、周囲には嫌味を与えません。着心地からみると、仕立てそのものの影響は絶対的ですが副資材の影響も見逃せません。毛芯には接着芯のように有機溶剤を含むことはありませんので汗や体温で接着芯の有機溶剤が変化して発生する物質を着用者が吸い込んでしまうような心配はありません。毛芯はなにしろ通気性が非常に良いです。また、裏地は直接人体に触れるわけですからしっとりとしたすべりの良い超高級資材を使用します。
ボタンはイタリー製を中心に用意し、厳密なマッチングをとっています。オーダーのよくできた服は「軽い」とお客様から印象を表現されますが、服の仮想重心を肩線上の特別なポイントに設定し、立体的な縫製と適切なゆとり量は服の重量を体全体に分散するからです。